ダイビングインストラクターのオンライン授業

「子供たちの海の写真を見るキラキラした表情が嬉しかったです!」

そう語るのは、町田店の大原インストラクター。
パパラギ休業期間中の5月に湘南学園小学部3年生の生徒さんたちに向けて、オンライン授業を担当させていただきました。


当初30人程の参加予定が、蓋を開けてみれば100名近いご参加をいただきました。
海と教室をオンラインで繋ぐパパラギの新しい試みはどのようなものだったのでしょうか?

「きっかけは休業期間中に、教育学部時代のゼミの友人から連絡がありました。まだダイビングの仕事しているの?と。すぐに面白そう、関わりたいと思いました。」

湘南学園小学部の3年生は、道徳授業の一環で一年間海のことを学びます。実際に海へ出て学習する準備段階として、これまでも水族館職員などを招いて生徒との触れ合いを大切にしています。
そんな湘南学園の3年生を担任する、大学時代の友人からご連絡をいただいたことがはじまりでした。
大原インストラクターも在宅勤務期間中にこれまで撮影した水中写真を整理する中で、誰かと海の話がしたいとウズウズしていたところ。
大学時代の教育現場の経験もあったので、すぐに子供たちの顔が思い浮かんだそう。
すぐさま先輩スタッフに力になれないか相談をしました。

先生方からは子供たちが「海ってすごい」と感じるような内容で、あとは大原さんのお任せで。とお願いされたそうです。
すぐに大原インストラクターは内容の構成の作成に取り掛かります。先輩スタッフとアイデアを出し合いながら準備を進めます。

「これじゃ伝わらない!海はただ青いだけと思われているなら、それを覆したかった。子供たちがまだ知らない海の世界を見せたい。」

初めはダイビングインストラクターらしく、スクーバダイビングの話を用意していたそうですが、途中でテーマを大幅に変更。
頭に思い描いた、子供たちの笑顔を生み出すテーマはこれではないと。
ダイバーならではの水中世界、海の面白さを発見してもらいたい。海に暮らす生物の暮らしぶりや、色や形のユニークさが伝わるようにしたそうです。
これならきっと喜んでもらえる。納得のいく準備をしたおかげで、オンライン授業当日はワクワクして早く子供たちに伝えたい!と思っていたそうです。
実は一番ワクワクしていたのは、担任の先生だったのだとか。なんと4人中3人がダイバー。現役のダイビングインストラクターの話が聞けると楽しみにされていたそうです。
オンライン授業が終わると、また海に潜りたくなったと言って頂けたそうで、パパラギのスタッフが提案する海の面白さに年齢が関係ないことがよく分かります。

「ふと画面が切り替わって子供たちの顔が見えると驚きました。どの画面もモニターいっぱいの顔!そうだよ、こんな世界があるんだよ、こっちにおいで〜って」

オンライン授業が始まりました。自宅の大原インストラクターの端末の向こう側には100人以上の生徒さんが繋がっています。
生徒さんたちの声にはミュートがかけられ、大原インストラクターの画面には用意したスライドが表示されています。
生徒さんたちの反応は次々流れてくるチャットの中でのコメントだけでしか分かりません。
子供たちは楽しんでくれているのだろうか?手探りでの授業です。

ふとある時、画面が切り替わってたくさんの生徒さんたちの様子が大原インストラクターの画面に映し出されます。そこには画面に近づきすぎて、カメラの画角いっぱいに顔が映し出された子供たちの姿でした。
この時、子供たちの好奇心の大きさに驚いたそうです。海の世界に夢中になる子供たち。オンライン授業でなければ手を引いて海に連れて行きたくなったほどだったそうです。


実は、大原インストラクターの見えないところで、美しい海の景色やユニークな生物の写真が画面に現れるたびに画面に鼻がぶつかる程近づいて見る生徒さんが多く、お母さんに離れなさいと叱られてしまったなんて子もいたそうです。
用意した内容の8割くらい話せれば十分と思って話していたはずが、生徒さんたちの姿に引っ張られて予定の時間を延長してすっかり話し切ってしまったそうです。

楽しい時間はあっという間に終わってしまいます。
オンライン授業が終わると元どおりの部屋に一人の状態に戻ります。子供たちに笑顔になってもらえればと始まったことでしたが、終わってみれば大原インストラクター自身もたくさん元気を頂いたのでした。

「子供たちの海の写真を見るキラキラした表情が嬉しかったです!小さな時から海と触れ合う経験をしてほしい。関われる機会があれば、子供が海を好きになる助けができるし、もっとしたいと思いました。」

生徒さんたちにとって今年度の新学期はコロナ禍で前代未聞のものとなりました。
その最中に、ダイビングインストラクターと教室がオンラインで繋がるという全く新たな試みが生まれました。
ダイビングインストラクターとしては、実際に海に触れていただくことで感動して欲しいのが本音です。
ですが、画面を食い入るように見つめる子供たちの目のキラキラは、新たな試み無くしてはそこになかったものです。

パパラギは、海の面白さを知っていただくためならと20年以上に渡ってスタッフを外部講師として様々なところへ派遣しています。
湘南学園さんとは15年近くの繋がり。しかも今回は、お互い全く違う人を通じて繋がりなおしたというところに強いご縁を感じます。
パパラギはこうしたご縁を大切に、そして海を想う輪が広がっていくことを大切にしたいと考えています。

個性豊かなスタッフがそれぞれ得意な内容、方法で海をお伝えいたします。

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