5月25日。緊急事態宣言の解除を受け、パパラギは6月の二週目の土曜日からダイビングツアーを再開しました。
4月からの2カ月間の休業、そして店舗営業再開からダイビングツアー再開までの2週間、四季折々の水中景観が見所の伊豆半島を本拠地とするダイバーからすると、あまりにも長く、歯痒いものでした。
未曾有の事態。パパラギの夏はどんな様子だったのでしょう。
海、再開。
伊豆半島のほとんどのダイビングポイントが6月にはオープン。相変わらず海に向かう人たちの姿が。
プロ・アマ問わず、海を目の前にしたときの感覚に懐かしさと高揚感を噛みしめます。
ダイバーにとってダイビングはただの息抜きではありません。正確には多くの方にとって「ただの息抜きでは無かったことを知った」夏だったのかもしれません。
海に潜って、ありのままの自然の中で呼吸をすることがこれほど大きな意味を持ち、生活の一部となっているとは。
海に、自然に触れ合うことの意味を再認識します。私たちにとって、ダイビングは生活に必要なものなのです。
水中世界の変わらない夏
陸上は生活が大きく変わった夏でしたが、水中はどこまでもいつも通りの生物の営みが見られました。毎夏見られた水中の様子を今年も見ることができると、なぜかホッとしてしまいます。
クマノミの夫婦はせっせと子育てに夢中。
アオリイカの産卵も大盛り上がりを見せました。
自然から学べることは多いです。
何が変化して、何が変化しないのか。必要だったことと、必要でなかったこと。
誰しもが生活を見直すことを強いられた年です。変わらない自然の営みの洗練された姿が浮き彫りになります。
海があるライフスタイル
変わった社会に適用する一面と、人間生活の中で譲れない部分。
やはり誰かと一緒に時を過ごすことはいつまでも我慢していられません。
ダイバーは水中世界の美しい景色だけでなく、それを共有する他の人とのつながりも楽しむものです。
ダイビングにいらっしゃるときは恐る恐る様子をうかがいながらでも、おかえりの時にはマスク越しのいい笑顔です。
それを抜きにした生活は味気ないですよね。ダイバーは自然や人と繋がらずにはいられない生き物なのかもしれません。
居場所を求めて
学校はオンラインに、バイトではシフトを削られる。人と接して役に立つ場を奪われ、友達にも会えない日々を送る学生たちはどんな思いで過ごしているのでしょうか。
パパラギ学生サークルプログラムのZOEAランドで、仲間で力を合わせる楽しさや、誰かの役に立つ喜びを感じてくださっているようで、例年以上にご参加いただく方が多く、やはり笑顔で帰られていきます。
居場所で言えばスタッフも同じです。
来てくださるお客様がいるからこそ、インストラクターとしての居場所が生まれます。
8月はライセンス取得コースのお申し込みが過去最多となりました。
お陰様で4月入社の新人インストラクターもこの夏、無事にダイバー初認定をすることができました。
お客様がいなければ無かった緊張と達成感、そして喜び。
夏が無かったことにならず本当に良かったです。
パパラギが止まらず動き続けることで嬉しいことがありました。
いつも宿泊でお世話になっている「シーホース」
夕食の美味しい「金目の煮付け」と「ご飯つけようか?」でピンとくる方も多いのではないでしょうか。
実は、ご主人が体調不良で長らくお休みすることになりました。
宿を閉めることも考えたそうです。
それでもご主人は「パパラギさんが来てくれると元気になれる」と言って今も受け入れてくださっています。
海に来てくださる方を少しでも笑顔に!と気合を入れて営業再開をしましたが、私たちの方が皆様に笑顔にしていただいた夏だったように思います。
そしてやはり、人と、自然と繋がることの楽しさは止めることができません。
空気はすっかり気持ちの良い秋です。
パパラギと海があって良かったと思ってもらえるように引き続き駆け抜けます。
海はいよいよ秋冬のベストシーズンを迎えます。
ぜひ海に遊びにいらしてくださいね。