新人のチカラ

今年の新社会人は、本来の力を発揮して活躍の場にいることが難しい状況にいるのかもしれません。
パパラギでは本当に有難いことに、新人スタッフのお披露目ツアーである「ルーキーツアー」を無事に開催することができました。
わずかな準備期間、これ以上ないほど悪化した海の透視度にもかかわらず新人スタッフ、先輩スタッフ、お客様の力が合わさって生まれたパパラギらしい「場」となりました。

 

例年ならたくさんのお客様に触れ、海の勉強に勤しむ4~5月がまるまる休業となり、オンライン研修に。
お客様はもちろん、スタッフにも会えない毎日。

6月の営業再開時点でルーキーツアーは7月に開催が決まっていました。
例年の半分、たった1ヶ月の準備期間。お客様は足を運んでくださるのだろうか?準備は間に合うのだろうか?
加えて今年は海も厳しい状況でした。降り続いた大雨の影響で極端に水中の透視度が低下。水中で目視できるのは半径3mほどの範囲のみでした。

短い準備期間にハードなコンディション。傍目に見たら無謀な試みだったかもしれません。
それでもパパラギの新人たちは見事大成功を収めました。

※ルーキーツアーの詳細についてはこちら

先輩のチカラ-不変の共育-

休業期間をあけてすぐ、海にはたくさんのスタッフの姿が。


先輩から後輩へ、「伝える」場作りの瞬発力はいきなりつくものではありません。
毎年プレルーキーツアーと称して、ルーキーツアー本番前日の休日を利用して、先輩をお客様に見立てて1日を過ごしツアーリハーサルを行いますが、今年は準備期間が短いこともあり、それとは別に自主的にスタッフが集まりトレーニングを行いました。


休業期間が長く、先輩スタッフとも関わる機会を奪われていた新人たちでしたが、あっという間にスタッフの輪に溶け込みます。
パパラギのインストラクターはチームで仕事をします。コミュニケーション無くしては成功も安全もありません。後輩に関わろうとする先輩の多さはパパラギの共育の文化の証。
後輩は先輩を頼ることで、先輩は後輩に教えることで共に成長を目指します。


この共育の場では全員が主体的に意見交換を行います。
後輩がこのままではきっと迷ってしまう。先輩に休日まで付き合ってもらうからには一つでも多くのことを学ぼう。
誰かにやらされていると思っている人は一人もいません。

もしかすると海で遊んでいるだけに見えるかもしれません。憧れのフィールドにいれば自然と笑顔がこぼれてしまうものです。
お互いを思いやりながら必死に学んでいる、まさに真剣に遊んでいる最中なのです。

お客様のチカラ-憧れが仕事に変わるとき-

ルーキーツアーにはもう一つの側面があります。職業人としての成長に欠かせないお客様の存在です。
新人たちがそれぞれ夢や憧れをもってパパラギへやってきます。もちろん、初めてのツアーですから先輩のようにはいきません。
それでもお客様は足を運んでくださり、感謝の言葉もいただけます。このとき初めて自分のやり遂げたことに実感が湧きます。
まさに憧れが仕事に変わる瞬間です。
ルーキーツアーはお客様の力を借りて職業人としての一歩目を踏み出す日でもあるのです。
パパラギは恵まれたことに、いつも暖かく見守ってくれるお客様がいます。
今年はことさらその重みがありました。コロナ禍でうつむきがちな雰囲気の中、お客様の手で夢を実現しようとする新生ダイビングインストラクターを社会に送り出していただいたと言っても過言ではありません。

新人のチカラ

パパラギの新人は助けて貰っているばかりではありません。その姿は先輩にも影響を与えます。
ルーキーツアー中はサポートに徹する先輩たちですが、新人たちの姿を見てこの仕事の憧れや喜びの原点を思い直すのです。
何より、新人たちのデビュー戦を素晴らしい一日にしてあげたい。
新人と一緒にダイビングツアーの1日をご一緒するひたむきさ、お客様からの感謝の喜びを感じ、自らの仕事を振り返るきっかけにもなります。

そして、パパラギのインストラクターとしての一年は濃密です。新人と思っていたスタッフの目覚ましい成長は、先輩スタッフの喜びでもあり、刺激にもなります。
日々技術や喜びを伝え合い、来年の同じ季節にはお互いにさらに大きく成長していることでしょう。

 

社会情勢の大きなうねりの中で変わるものと変わらないものがあります。
そのうねりで真価が剥き出しにされることが多くなるのかもしれません。
今年のルーキーツアーの成功で、パパラギの共育とお客様の温かさという不変のものが浮き彫りになったのではないでしょうか。

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